電力大手10社の2021年9月連結中間決算が出そろいました。
10社中、7社が純損益予想を下方修正し、このうち東京電力ホールディングスと中国電力の2社が赤字に転落する見込みとなりました。
業績の悪化は、燃料費の上昇分が電気代に遅れて反映される「燃料費調整制度」の影響で、電力会社の負担が一時的に増加する期ずれが主な理由です。
1. 中国電力 2022年3月期 業績予想の下方修正
▲140億円の最終赤字に転落。かなり厳しい状況です。
経常利益が、前回予想の100億円から一気に▲230億円の赤字に転落。
そのうち、▲240億円は燃調期ずれ影響なので一過性のものといえますが、冬季の供給力確保に向けた電力の調達費用の増などから生じる減益影響はどこまでマイナスの影響が拡大するかは不確定なのでリスクと言えるでしょう。
2. 中国電力 下期配当 ”未定”
ここ数年、配当性向が100%を超えても、年間50円配当を死守してきた中国電力。
業績もよくないけど、配当だけは死守しようというところだけが、この会社の魅力だったのですが、まさかの2021年度の期末配当が「未定」になってしまいました。
↓は、中国電力の配当金方針についての説明です。
ウリの『安定配当』はどこへ行ったんだぁぁぁ。
『冬季の電力の需給状況、燃料価格の動向』による収支への影響の見極めができたら、配当してくれるものと信じたいです。
3. 週明けの株価下落は恐怖
10/29の中国電力の終値は945円でした。
この「期末配当未定」により、株価は800円台まで下落するのでしょうか。それとも、主な理由が「燃調期ずれ影響」なので、一過性の影響が大きいということで、そこまで大崩れすることなく、900円台に踏みとどまれるのでしょうか。
4. 株価1,000円台に戻ることがあるのだろうか…
落ちるナイフの中国電力を株価 1,064円でナンピン買いしたのが今年の5月。
収益状況はよくないものの、毎年50円配当を死守してきたので、利益剰余金を少しずつ取り崩しても減配せずに配当を20年続けてくれればいい ぐらいの気持ちで買い増ししました。
が、完全に落ちる途中のナイフをつかんで、手が血だらけになってしまいました。
節目と思っていた1,000円の株価もあっさり割り、現在、900円台も半ばで推移していますが、この期末配当未定を織り込むとどうなることやら…
マイナスのニュースが続く中国電力。
「島根原子力発電所が再稼働する」というポジティブなニュースがない限り、反転するキッカケが見当たりませんが、期末配当は「未定」であって、減配や無配ではないので、ここで踏ん張ってもらって、また地味に50円配当を続けてくれれば、何とか持ちこたえてくれるのかもしれません。
見かけの高配当に目がくらんで投資するとロクなことがないのは実感しているのに、どうしても株価が下落すると割安なのではないかという「逆張り投資」魂に火がついて、収益性回復の見通しもない株式を購入してしまいます。
武田薬品工業や中国電力は、その一番の失敗例です。幸い、まだ無配には転落していないので、気絶しながら保有を続けたいと思います。
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