いきなり投資に対して増税か!?と、就任当初はざわめきを見せた岸田政権。
どうやら本気でNISAの恒久化を進めてくれるようですね!
- NISA制度の恒久化
- NISA非課税保有期間の無期限化
- 一般NISA・つみたてNISAの投資上限額の増額
今ニュースに上がっている上記3つがいよいよ実現すると大変嬉しいですが、まだまだ疑問点がいっぱいです。
今月中に方針が出てくるようですが、クリアになるのでしょうか…
万が一にも関係者が見てくれていることを期待して、疑問点と一国民の希望を記してみました。
1. 一般NISAと積立NISAの住み分け
今までは、つみたてNISAは一部の投資信託が対象で、限度額は40万円と小さいけど、非課税期間は20年と長いことが特徴でした。
一方、一般NISAは個別株やETFも選べ、限度額は120万円と大きいけど、非課税期間は5年と短くなっていました。
そのため、投資資金は少ないけど長い期間をかけられる若者はつみたてNISA、投資資金に余裕は出てきてある程度銘柄を自分で選択したい比較的上の年代は一般NISAを利用するケースが多かったようです。
しかしながら、今回の改正で、非課税期間が無期限になると、つみたてNISAの唯一の利点がなくなります。
もはや、一般NISAに一本化で良いのでは?
金融庁は積み立てNISAをメインにしたいようですが、投資先が一部の投資信託に限定されるのは、老後、資産取り崩しではなく、配当金を貰いたい人など、自分の投資方針で投資したい人にとってはありがた迷惑な話です。
- 一般NISAに一本化する
- 積み立て向け投資信託として、現在のつみたてNISAのような投資信託リストは残す
(限定枠など特別扱いはなし) - 年間投資上限は240万円とする
「成長投資枠」とかまた難しい制度を作るのではなく、一般NISA一本化(+オススメ投資信託リスト)良いのではないでしょうか。「オススメ」という表現は損が出た時にまずいと思うので、もう少しうまい表現に変えるとして。
どうしても制限したいなら、レバレッジをかけたものなど、投機的なものだけをNISAから外せば良いかと。
年間投資上限240万円を毎年投資するのは難しいでしょうが、ある程度資金を持っている高齢者もNISAの恩恵を早めに受けられるように、かつ1ヶ月あたり20万円と積み立てとしては分かりやすい金額にしています。
2. 生涯投資限度額
NISAの恒久化が富裕層の優遇という批判を回避するために、生涯でNISA投資できる限度額を定めるという話が上がっています。
金融庁が以前出しかけた老後資金の2,000万円を生涯投資限度額とする
当時炎上して、麻生さんが慌てて引っ込めましたが、『100年安心年金といっても年金だけでは暮らせない。標準的なケースでは2,000万円自助努力で貯める必要あり。』という問題提起にはなったと思っています。
2,000万円の論理的根拠は、毎年家計不足額は変わるし弱いですが、国民に浸透してるから、ここは2,000万円の生涯限度額で良いと思います。
このような数字は、どのように計算しても個人個人で大きく異なる数字ですし、インフレの前提など異なれば、標準値の試算といえども大きく変動するので、まずは馴染みのある数字でよいかと。
3. 途中で売却した場合、年間投資枠の復活
現在のNISAは一度売却したら投資枠は復活しません。
短期売買でNISAの非課税を利用されるのを避ける目的かと思いますので、このままで良いかと思います。
が、生涯投資枠は復活させて下さいね! 若かりし頃、いっぱい投資に失敗して損切りして生涯投資枠を使いきった悲しい人を出さないためにも。
- 売却時、年間投資枠は復活しない
- 売却したら、生涯投資枠は復活する
年間投資枠が復活しなくても、年間投資額が240万円など比較的高ければ、さほど問題はないと思います。
4. 配偶者によるNISA口座相続を認める
現状、NISA口座保有者が亡くなった場合、NISA口座での相続はできないため、特定口座・一般口座で相続する必要があります。(相続発生時点の含み益は非課税だが、それ以降の利益には課税される)
夫(または妻)が纏めて自分の名義で資産運用を行っている家庭も多いかと思います。
それなのに、先に夫が亡くなるとNISA口座で非課税で配当が貰えていたものが、妻が相続するといきなり課税され、手取りが2割減るというのは残酷ではないでしょうか?
配偶者が相続する場合、配偶者の生涯投資枠の余っている枠を上限としてNISA枠で相続できる
これはぜひ検討して欲しいですね。子どもの相続までNISA枠でできるようにするのは賛否両論あると思いますが、夫婦はあまり口座の区別なく運用している実態や、相続税の非課税枠が大きく設定されていることを認めている実情を考えると、配偶者間のNISA枠での相続は現実的かと思います。
5. NISAで損失が出た場合
NISAで損失が出た場合、①他の譲渡益や配当金と損益通算できず、更に②非課税期間の期限がきて特定口座に移すと、特定口座に移した時の低い時価が取得価格になってしまうので、本来は売却損にも関わらず、課税されてしまうというデメリットがあります。
購入価格:100円
非課税期間終了時:70円
特定口座から売却時:90円
上記の場合、本来は売却損10円(=90-100)ですが、売却益20円(=90-70)として課税されるということです。
このデメリットが嫌で、NISA口座を使わない知り合いもいます。だって、投資は確実に利益が出るとは限らないから、損失も出た場合を想定すると当然の懸念かと思います。
NISAの非課税期間が無期限になると、特定口座で運用される金額が減っていき損益通算する相手が少なくなってきます。そのため、損しているのに課税されるとケースは少なくなることが予想されますので、これだけでも大きなメリットです。
ただ、しばらくの間は現在運用中の特定口座・一般口座の残高が残り続けるので、含み損のNISA銘柄を売却した時には、特定口座・一般口座の譲渡益・配当金と損益通算できるようにしてはいかがでしょうか?
ずっとこれを認めると、NISA生涯枠を超えて特定口座を保有する富裕層への優遇になってしまうようであれば、導入当初の10年間に限定しても良いかもしれません。
損益通算ができないNISAのデメリットが軽減されれば、今後、特定口座の残高はNISA生涯投資枠を使いきった人の利用になっていくと思われます。
今特定口座で保有している人も、恒久NISAの導入10年経てば、NISA口座に移行しているかな…
- NISAを恒久化した当初10年間は、NISA口座と特定口座の譲渡益・配当の損益通算を認める
- これにより、NISA口座最大のデメリットの売却損が出た場合を回避し、NISAの普及が促進される
- 10年経過後にはその時点のNISA・特定口座利用状況を判断した上で、NISA口座の損益通算を廃止する(10年経てば、特定口座→NISAへの移行が進み、この時点で特定口座に残高が残っているのはNISA生涯残高を使いきった富裕層と想定)
素人が勝手な提言を自由に書いたので、認識違い、浅はかな意見も多いかと思います。
しかしながら、金融庁の方々や有識者の方々だけで考えると、頭が良すぎるが故に、素人がついていけない二階建ての制度などになってしまいがちです。
シンプルに分かりやすく、庶民的な制度になることを願っています。
長~い文章、最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
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