年金受給開始年齢の「75歳選択制」が年内にも閣議決定される というニュースが囁かれています。
個人的には長寿のリスクが怖いので、できれば70歳まで繰り下げて受給して、多めの年金をもらいたいと思っていましたが、さすがに75歳というのは、平均余命を考えると選ぶのは困難かなと直感的には思います。
1. 人生100年時代
「人生100年時代」などが聞こえるようになり、「全世代型の社会保障に改革することが求められる」と言われるようになってきました。
今までのように、若者が高齢者を支えるのでは支えきれなくなるから、年齢ではなく所得や資産などに応じた給付・負担とすることが必要とされている と考えられているらしいです。
でもひどい、ひどすぎる…
何とか年金受給までをゴールに、苦しい共働きを続け、頭をひねって資金運用を考え、「ゴール♪」と年金受給開始を待っていると、ゴールの開始年齢は引き下げられ、運用の増えた所得で社会保障の負担は増やされる?
これなら現役世代に好き放題消費して、いざとなったら生活保護と考える方がいらっしゃるのが理解できます。
2. 安倍内閣が目指すもの
「ニッポン一億総活躍社会」をスローガンにしている安倍内閣。
耳障りのいいスローガンを掲げていますが、背後に少子高齢化で支えきれなくなった財政を少しずつ国民に負担を押し付けているように感じます。
- 一億総活躍社会 → 死ぬまで働け
- 私的年金の充実 → 自己責任で老後資金を準備せよ
- 高齢者は75歳から? → 74歳までは支える側に、また医療費の窓口負担をいずれは3割に引き上げ?
小泉政権時代に「100年安心年金」として、「年金は将来にわたって現役世代の収入の5割を下回らないようにする」と国民に約束しましたが、現状の少子高齢化では5割を割り込む可能性が出ています。
それならそうと、新しい少子高齢化前提で、消費税・年金・介護保険・健康保険をどのようにしていくのかの全体像を示してもらいたいです。
後出しジャンケンのように、少しずつ改悪されていくと、老後資金をどのように計画すれば良いのか全く将来が読めません。
まぁ、全部を明らかにすると選挙に勝てないのでしょうが、この少しずつ負担が増える感じをどうにかしてほしいものです。
3. 75歳選択制→75歳が原則 に移行?
まぁ、年金支給開始年齢で「75歳」を選択できるようになること自体は選択肢が増えるだけで選択しなければ影響はないです。
しかしながら、もともと70歳への繰り下げ受給を選択している人が1.3%と少ないのに、75歳繰り下げ受給なんて更に選択する人は少ないでしょう。
それにも関わらず政府が検討しているということは、通常の受給開始年齢を現在の65歳から67歳・70歳・75歳まで延長することを視野に入れいている証拠ではないでしょうか。
だんだん、下記のようになし崩し的に遅らせようとしているような気がしてなりません。現在アラフォーの私が老後になる時に、ステップ3くらいには進んでいそうな気がします。
- 年金を65歳から支給(70歳まで繰り下げ受給が可能)
- 年金を65歳から支給(75歳まで繰り下げ受給が可能)
- 年金を67歳から支給(75歳まで繰り下げ受給が可能)
- 年金を70歳から支給(75歳まで繰り下げ受給が可能)
- 年金を75歳から支給
仕事が生き甲斐になる人のために生涯現役で働ける環境の構築は良いことですが、私のように仕事嫌いで早期退職を目指している人にとって、75歳まで働くということは恐怖でしかありません。
コメント
年金の所得代替率ケースHの35%を元に75歳繰り下げ支給を試算すると
0.35×1.84=0.644≒0.627 不思議なことに財政検証時の所得代替率と一致します。
財政検証時ベース所得代替率62.7%=100(将来の賃金水準=財政検証時の賃金水準)
65歳受給開始の人は45%減の年金受給額
75歳受給開始の人は100%保障
75歳まで自助努力で生きてね。所得代替率60%は確保できそうだから。65歳から受給する人は所得代替率35%で我慢してね。
食える年金が欲しければ75歳受給開始でよろしく。 10年×300万=3000万分75歳まで働くか貯蓄でがんばってね (所得代替率60%が確保できるのなら、高齢期に働けなくなったときの生活保障としての長生き公的終身保険としての役割ははたしていると思いませんか )
妄想あべ